作品番号:44 「老桜」− 悠久の時を超えて、今この瞬間に咲き誇る生命の証

作品番号:44 「老桜」− 悠久の時を超えて、今この瞬間に咲き誇る生命の証
縦:910mm
横:1167mm
縦+横:2077mm

文部科学大臣賞作家・菅沼まどかさんが、一切の妥協を排した水墨の筆致で描き出した、渾身の超大型飾り画です。 壮大なキャンバスにそびえ立つのは、幾星霜もの歳月を生き抜いてきた一本の「老桜」の姿です。

本作の神髄は、墨の濃淡のみで表現された圧倒的なテクスチャと生命の対比にあります。 画面の大部分を占める太い幹は、まるで龍の鱗のような荒々しい樹皮を湛え、これまで耐え忍んできた厳しい冬や嵐の記憶をその身に刻んでいるかのようです。

作家独自の運筆により、複雑に絡み合う樹の「節(ふし)」や「洞(うろ)」は、単なる植物の一部を超え、深い知恵を宿した老賢者のような威厳を放っています。 その重厚な幹とは対照的に、天に向かって伸びる枝先には、透き通るような淡い墨色で可憐な桜の花々が描き込まれています。 老いた幹から噴き出すように咲く花々は、一瞬の生命の輝きを象徴しており、作家が長年見つめてきたテーマである「いのちの連なり」を、静謐なドラマとして定着させています。