作品番号:10 渓声 − 幽玄なる自然との対話
縦:1470mm
横:980mm
縦+横:2450mm
伝統的な水墨の技法を駆使して描き上げた渾身の一枚。タイトルの「渓声」とは、文字通り「谷川のせせらぎの音」を指しますが、古くは禅の教えにおいて「山の色は清らかな仏の姿であり、渓流の音は仏の説法である」とも説かれます。
画面を大胆に横切る老樹の枝ぶりは、幾星霜を生き抜いてきた生命の力強さと、自然の厳しい理(ことわり)を体現しています。その背後で白く煙る滝と、岩肌を噛んで流れる水しぶき。墨の濃淡のみで表現されたその空間からは、ひんやりとした山の空気や、絶え間なく響く水の音が、静寂の中に鮮やかに立ち上がってきます。

