作品番号:15 「忍野高原」 − 富士の懐に抱かれた、心のふるさと

作品番号:15 「忍野高原」 − 富士の懐に抱かれた、心のふるさと
縦:530mm
横:455mm
縦+横:985mm

富士山麓に広がる名勝・忍野高原の冬の情景を描き出した叙情豊かな風景画です。

画面左奥にそびえるのは、雪を頂いた富士の威容。その圧倒的な存在感をあえて淡い階調で表現することで、手前の茅葺き屋根の民家や、寒さに耐えながら白く光るススキの穂、そして静かに水を湛える水面の気配を優しく際立たせています。墨の滲みと淡い色彩が織りなす空気感からは、高原の澄み切った冷気と、その中に確かに息づく人々の暮らしの温もりが伝わってきます。

作家が旅を通して見つめてきた「いのちの連なり」は、この作品においても、古くから変わらぬ日本の原風景として見事に定着されています。水面に映り込む木々や空の表情は、一瞬の光の移ろいを捉えつつ、見る者の心に深い安らぎと郷愁を呼び起こします。